Regina and Bettina.

2011年09月14日 22:29

ReginaとBettina

―みえているか、きこえているか。

盲目の姉Regina(レジーナ)と、妹Bettina(ベティーナ)
Doll: Visuadoll(モエギ)
Hair arrange: HIRO(Trick Store)


先日、9月10日から開催されています、みつばちさんの個展
「架空の月(〜あの向うにある世界〜)」
1Fの展示については全作品、Visuadollを使って双子を表現するというテーマを与えられて
各作家が思い思いの作品を寄せています。
私も今日はそのうちの一組、CrankyGelなりに考えた双子をご紹介しようと思います。
今回はちょっと、いやかなり、私には難しいテーマでした。

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続きは追記にて。
一人ずつの写真や、私の思ったこの2人のお話を。





矛盾と整合性のあいだ

一見、彼女らは2人の独立した、ふつうの女の子に見えます。

お題をいただいた時、双子ってなんだろうと、考えました。
正直、一人っ子の私には
「兄弟の一種で、自分とよく似ている人間が存在していること」くらいの認識しかありませんでした。
まあ実際もそういうことなのでしょうが
色々考えていくうちに、眼に見える表層の知識、それ以上の
薄皮を剥いでその奥にある、もっと精神的な何か…そういうものを表現したいという気持ちが湧いてきました。

この展示のお話を頂いてから、一番最初にデザインしたのがこの双子の分でしたが
どうしても色々納得できずにおり
うまく引き出せない自分に悶々とした気持ちで後回しにして、他の作業に没頭したりしていました。
ふと合間の時間に思い出して、また頭を抱えたり。
ドール自体は、双子に関してメイクはデフォルトのままで展示するということで
その状況に甘えて、ラフ提出当初のものから何度もデザインを変更し
結局、納品日の朝までかかって作りました。
いつもこんなことばかり言ってる気がする自分に
レジーナの目隠しの奥から、物凄く冷たい視線が飛んできた気がしました。
ご、ごめん…やで…。

盲目の姉・レジーナ。

この展示にはもうひとつ縛りがあります。
それは「どちらか片方は目隠しをする」こと。
姉には見えない世界を妹が、妹にはみえない世界を姉は見ている。
2人で1つの存在。2つの独立した意識の境界にある、互いを補い合おうとする意識。
不完全で完全な存在。
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妹・ベティーナ。


この子達は、私の中では物理的に体が繋がっている姉妹です。
でもそれが出来ないボディなので、服の一部を繋げることでそれを表現しました。
ワンピースは、裾をカットソーをひっくり返した形にして、1着に2つの顔を持たせています。
スカートから生えている袖が2人を繋いでいる血であり、肉であり、神経であり
こころです。
つけ襟はリバーシブルになっており、こころでものを見る姉は地模様の入った黒を表に
姉を支える無垢な妹は無地の黒を表に出しています。
と、言ってもよーーく見なければ違いはわからないと思いますが。苦笑


生まれ持った体により、一見矛盾した独立と依存を肉体、精神共に同時に成している。
そういう存在に強く興味をひかれ、強さと命の美しさを感じます。
繋がっていることは不便な面も多いけれど
彼女たちなりの独立した2人としてのそれぞれの生き方、
また共に生きていくという1つの人生。
彼女たちを通して
私たちが忘れてしまっているような、意外なほど普通の幸せを
このレジーナとベティーナの姉妹が思い出させてくれるといいなと思います。

と、ここまで色々考えたのは
実は、前に何かで見たあるアメリカの実在の姉妹のことを思い出したからです。
今回の作品は彼女たちの存在がなくては完成しなかったかもしれません。
彼女たちの存在は必ずしも100%ポジティブに捉えられないとは思います。
しかし、明るく前向きに生きようとする彼女たちの姿に非常に心を揺さぶられました。
感謝するのとはまた違う感覚ですが、仮にこの感覚をリスペクトとしておきます。


With respect for sisters Abigail and Brittany Hensel.
歳の近いこの姉妹に、尊敬をこめて。